Aloha! 新井朋子です。
今日はホクラニで「マナ・カード」のベーシック講座でした。
ちょうど“ワア(カヌー)”のカードの説明のところで、ホクレア号のお話をしたので、こちらでもお勧め本をご紹介します~~☆
ホクレア号というのは、昔ながらの方法で、釘を一本も使うことなく、すべてのパーツを紐でくくって造られたカヌーのこと。
1778年にキャプテン・クックがハワイを訪れて以来、つぎつぎに欧米人がハワイにやってくるようになりました。
欧米人は、
文字をもたず、八百万の神々を信仰し、裸同然の格好で踊るハワイアンを、野蛮だときめつけ、自分たちの価値観を押し付けました。
英語を使うことを強要し、キリスト教を広めました。
そして政治の世界にも参入するようになりました。
さらに欧米人と一緒にハワイにもたらされた、はしか、インフルエンザ、おたふくかぜ、性病などの感染症のために、免疫のないハワイアンはどんどん死んでいきました。
一説によると、人口は1/10になったとか・・・。
社会的な力をなくしたハワイアンは、自分たちのアイデンティティをも失っていきました。
やがて1970年代に入り、ハワイ文化を見直す復興運動がはじまりました。
その運動のひとつとして、昔ながらのカヌーで、伝統的な航海術を使い、かつてのようにハワイとタヒチを航海するというプロジェクトがはじまりました。
それがホクレア号のプロジェクトです。
そしてこのプロジェクトはその1回だけでなく、その後も続いています。
2007年には、日本にもやってきました。
かつてハワイへ移民した日本人が、ハワイに向けて出港した日本の港を一つひとつ巡ったのです・・・・!
わたしもホクレア号が横浜に寄港したときに、見にいきました。
思ったよりも、ずっと小さな船だったので、びっくりしました・・・。
こんな小さな船で太平洋を航海していたなんて!!
しかも計器を一切使わず、星の位置や、ほかの自然のサインを読み取って、大海原で迷うことなく、島から島へと航海するのですから・・・・。
それは本当にすばらしい技術です。
ホクレア号のプロジェクトが成功したことにより、ハワイアンは、自分たちの文化のすばらしさを世界に対しても、そして自分たちに対しても、証明したのです。
そしてハワイアンであることへの誇りを取り戻したのでした。
さて、今日ご紹介する本は、そのホクレア号のクルーのひとり、日本人女性の内野加奈子さんのご著書です。
ホクレア号のこと、ハワイの歴史のこと、昔ながらのハワイアンの考えなど、とてもシンプルにわかりやすい文章で綴られています。
ホクレア号に乗るということは命がけです。
行間からクルーたちの緊張感や信頼感やハワイへの敬意などが伝わってきます。
内野さんの静かな語り口が、わたしは好きですね・・・たまに本棚から取り出して、繰り返し読むほどです。
収められている写真も、すべて内野さんが撮られたものです。
その写真がとっても素敵なんですね。
まるでホクレア号の上にいるような、そんな気持ちになります。
わたしが好きな写真は、風がとまって、海がまったくのたいらになっている写真。
こんな瞬間があるんだなと、ホクレア号のクルーだからこそ見ることのできる美しさだと思います☆
ぜひ一読してくださいね!
内野加奈子著
小学館刊
Pingback: お勧めハワイ本 16: 『祝星「ホクレア」号がやって来た。』 – 新井朋子 オフィシャルサイト